はじめに
はじめまして、こんにちは。
プロモーション・デザインユニット(以下プロモ・デザインU)のプロモーションチームに所属している竹内、牧山、安田です。
私たちはオプティムのWebサイト、メルマガ、広告などといった、Webプロモーション全般を担当しています。
2023年7月1日は、Webサイトの運営者にとって非常に重要な日でした。
長らくアクセス解析の分野でトップであったGoogleアナリティクス(以下GA)の「ユニバーサルアナリティクス(以下UA)」がこの日をもってサービスを終了することになったからです。
私たちはサービス終了の1年前からUAの後継であるGoogle アナリティクス 4(以下GA4)への移行作業を進めていました。
今回はGA4への移行作業の詳細と、その後Web解析がどうなったかをご紹介します。
アクセス解析とは
「アクセス解析」とは、WebサイトやWebアプリケーションの利用状況を把握し、改善ポイントを分析し見つけ出すことです。
アクセス解析でよくみられる情報は下記です。
- トラフィックの計測:ユーザー数、ページビュー数、セッションの長さ、離脱率 / 直帰率など
- ユーザー行動の分析:特定のページの訪問、クリック、ダウンロード、購入など
- ユーザーの属性情報:パソコンかスマートフォンか、モニターの画面サイズなど
- キーワード分析:Yahoo!やGoogleなどの検索エンジンでどのキーワードで検索してWebサイトにアクセスしてきたのか
- コンバージョン:Webサイトのゴール(お問い合わせ完了や商品購入、アカウント登録)などの達成状況
取得した情報をもとに、更新予定ページの優先度や改善方針などを検討し、日々更新をしています。
アクセス解析ツールにはさまざまな種類がありますが、オプティムではGAを用いてアクセス解析を行っていました。
アクセス解析によく出てくる用語
用語 | 内容 |
---|---|
ユーザー数(UU) | Webサイトを訪問したユーザーの数のこと。同一期間内に同じユーザーが同一デバイスで何度Webサイトを訪問した場合でも、ユーザー数は1とカウントされる |
ページビュー数(PV) | Webサイトに訪問したユーザーがページにアクセスした数のこと。同じユーザーが100ページを閲覧した場合、PV数は100とカウントされる。 |
セッション | アクセスの開始から終了までの一連の通信のこと。 基本的にセッションは30分経過することで通信終了とされる。 |
直帰率 | Webサイトに訪問したユーザーが、最初の1ページのみを閲覧して離脱した割合。 |
コンバージョン数(CV) | コンバージョンの略。マーケティング用語で、顧客に達成してもらいたい目標のこと。 オプティムでは主にお問い合わせの完了やリード獲得のことを指す。 |
UAの終了について
冒頭でもお話ししたように、GAが提供していたシステムバージョンである、「UA」は、2023年7月1日で計測が終了になる旨のアナウンスが発表されました。
継続してアクセス解析を行う場合には新しいバージョンの「GA4」への移行が必須作業となったのですが…これがまた難儀でした…
GA4への移行作業まとめ
対応した内容は、以下の通りです。
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GA4の移行アシスタントを全て管理させる
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データの収集が完了していること
→ データストリームの管理で受信していればOKとしました。
→ すべてのUA・GA4で確認を行いました。 - Googleシグナルを有効にする
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Google広告のコンバージョンをGA4にする。
→ GA4のコンバージョンに基づいて入札を完了しました。 -
プロパティの設定>コンバージョンを設定
→ Google タグ マネージャー(以下、GTM)でUAになっているものをGA4に紐付け直しました。 -
オーディエンスの確認
→ UA側で設定されていて、必要なものあればGA4で設定しました。
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データの収集が完了していること
- GTMで不要なタグを削除する
UAタグは不要になるため、計測終了を確認してから削除対応を行いました
当社ではGTMを使いGAを設置しているため、GA側とGTM側での作業が発生しました。
全部で23コンテナあり、管理表を作成しダブルチェックを実施しながら対応しました。
UAとGA4の違い
オプティムではアクセス解析を専門としている企業に委託せず、内製で行っています。
今回のアップデートは、エンジニアではないプロモ・デザインUの我々から見るとかなり衝撃的で、GA4へ移行したものの、UAから大きな変更点がありました。
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ダッシュボードの見え方(UI変更)
また、UAでは設定せずとも見たい情報がまとまっているレポート画面が用意されていました。
しかし、GA4では各自でデータをカスタマイズしてレポート画面を作る必要があります。 -
計測指標
「直帰率」が「エンゲージメントのなかったセッションの割合」に変更になり、「離脱率」「ページ/セッション」「ページ別訪問数」「ページの価値」が廃止になりました。 -
数値に乖離が発生する
GA4になることで、日付が変更になったタイミングでセッションが途切れる、表示回数にしきい値が適用される、同一セッションにも関わらず都度CVを計測するなど、PV※・CV※での数値の乖離が発生しました。
※ PV(ページビュー数)とは、訪問者が実際にサイト内でページにアクセスした数のこと。
※ CV(コンバージョン数)とは、主にお問い合わせの完了やリード獲得の数のこと。
上記にあげたものは変更点の一部ではありますが、これまで見れていたデータが確認できなくなってしまったことや、操作方法を新たに学習する必要がありました。
また、オプティムでは「Looker Studio(旧:データポータル)」でUAと連携し、Webアクセスレポートを作成していました。
用途に合わせて細かくレポートを設定していたため、全てのレポートのUA連携をGA4に移行するには作業ボリュームも多くコストも高いため、UAの廃止に合わせて運用をストップしました。
GA以外のアクセス解析ツール
GA4への移行作業とは別で、2021年頃からGA以外の有料Webアクセス解析ツールを導入しました。
導入のきっかけは、全社的なWebマーケティングを強化するために、ページ単位ではなく、コンテンツエリア単位の細かい計測が必要になったことでした。
例えば企画部門やマーケティング部門から「あるページの中に新しいコンテンツエリアを追加したり、表示位置を入れ替えた時に、その効果を知りたい」と言われる場面が増え、それらの情報をわかりやすく共有するために、ページごとにコンテンツエリアの熟読率やクリック数をヒートマップで可視化できることが求められました。
これをGAで実現することは簡単ではなかったため、初期機能でヒートマップ機能があるツールを新たに導入することで解決することにしたのです。
2021年後半から2022年はGA4への移行を進めながら、UA、GA4、さらに別のWeb解析ツールの3つを同時に使用してユーザーの行動データを分析していました。
その際に、事件が起きます。
各ツールで計測しているサイトのページビュー数(ページの表示回数)に、2倍近い大きな差異が生じたのです。
調査をしたところ、最初は単純な設定の漏れが原因ではないかと思いましたが、設定を修正してもまだツール毎にそれぞれ1.5倍ほどの差異が発生していました。
さらに詳しく調査して、徐々に「スパムとして事前に計測から除外するIPアドレスが、ツールによって異なっている」など、GA4による仕様上の問題が明らかになっていきました。
どのツールのデータを正とするべきか、また、どのツールが使いやすいか。
チーム内だけでなく、マーケティング部門とも協議を行いました。
最終的に、現在の私たちのプロモーション施策には、GAではない別のツールの方が適しているという結論に至りました。
そのため、現在、オプティムのWebサイトのアクセス解析では別のツールをメインで利用しています。

一方で、サービスの開発をするエンジニアにとってGA4は、UAや別のツールよりも使いやすく、無償のため導入しやすいツールになっているようです。
現在オプティムでは一部のサービスでGA4を導入し、データを解析しながらより良いユーザー体験を提供すべく、開発を進めています。
まとめ
色々調査を進めていく中で、プロモ・デザインUではアクセス解析にGA4を使わない選択をしました。
メリット・デメリットを理解した上でチームに最適なツール選びをし、オプティムのファンを増やすべく今後もWebサイトの改善をしていきたいと思います。
おわりに
オプティムでは、エンジニアだけではなくプロモ・デザインUで一緒に働いてくださるメンバーも探しています。
プロモ・デザインUでは、UI/UXデザインやブランディング、Web制作、マーケティングなど"オプティムの思想を魅力的に伝える"お仕事をしています。
UI/UX、ブランディング、Webプロモーションなどに興味がある方、ぜひご応募お待ちしています。