はじめまして。オプティムの越、矢野、黒田です!
私たちは主に Java を使って、Android 向け MDM アプリケーション(Optimal Biz)の開発をしています。
9/11(水)~9/13(金)の3日間にわたって開催された Droidkaigi 2024 に私たち3名で参加してきました。
会場の雰囲気や印象に残った講演の感想についてレポートしていきたいと思います。
Droidkaigi 2024 について
Android 技術情報の共有や、コミュニケーションを目的に開催される、エンジニアが主役の Android カンファレンスです。
今年は10年目となるようで、39のブース、49の講演、1,150人の出席者と非常に賑わいのあるイベントとなっていました。
印象に残った講演
今回現地参加したメンバーから気になったセッションを一つ選んで感想を書いてもらいました!
黒田
- 講演: オフライン・ファーストなアプリの実例:ガーナの農家アプリ
- 講演者: Arief Rahman さんと Takuya Kodama さん
- 講演リンク: Youtube
ガーナの農村部では、インターネット接続が不安定な環境が一般的であり、オフライン環境でも利用できるよう、ユースケースに基づいた設計や、発生する問題への対策について詳しく聴くことができました。
サーバーとのデータ同期における一貫性の維持や重複防止の仕組みは、流れ図を用いて視覚的に説明されており、理解しやすかったです。また、位置情報取得については、GPSとネットワークによる取得のメリット・デメリットが、実際の開発事例を交えて解説されており、参考になりました。
特に、オフライン時に画像を表示できない問題についての解決策にプリフェッチという技術を使用して、オフラインでも画像を表示できるように対策を行っているという話が面白かったです。
普段考慮することのない技術や実装について詳しく知ることのできたので、今後の開発にも生かせるセッションでした。
矢野
- 講演: [招待講演] Android StudioのGeminiでコーディングの生産性を高める
- 講演者: Adarsh Fernando さんと Chris Sinco さん
- 講演リンク: Youtube
近年、生成AIの進化は目覚ましく、Android開発においてもその恩恵を受ける機会が増えています。
特に、生成AIのGeminiが搭載されたAndroid Studioは、開発者の生産性を飛躍的に向上させる多様な機能を提供しています。
現在では、Geminiとの対話や、コード変換、コード補完、変数名提案、単体テスト自動生成、CrashlyticsやVital reportsの出力、コミットメッセージ提案と既に様々な機能が提供されているようです。
上記のGeminiの機能を最大限に活用するためには、プロジェクトのコンテキスト情報をGeminiに共有する必要があり、場合によっては機密情報の漏洩を懸念されるかもしれません。
Android Studioでは、.aiexcludeファイルを利用することで、Geminiに共有する情報を細かく制御することができます。
これにより、セキュリティ面での懸念を解消し、安心してGeminiの機能を利用できるようになります。
将来的には、画像のように様々なコンテキストを入力できるようになったり、対話を並列に管理したり、入力内容を集約してライブラリとして使用したり、といった機能が提供されていくそうです。
本講演は私が普段から使用しているAndroid Studioの開発者の招待講演であり、すべて英語ではありましたが非常に興味深く、これからも積極的に利用してチーム全体の生産性を向上させていきたいと思います。
越
- 講演: 電池寿命を考えた位置情報の監視方法を考える(Geofence)
- 講演者: はるちろ さん
- 講演リンク: Youtube、スライド
自作実装とGMS API利用の比較が、実際のバッテリー消費の観点から詳細に解説されていました。
Optimal Biz にも端末の位置情報を取得する機能がありますが、バッテリー消費を抑えながら精度を保つ点が常に課題となります。
今回の講演ではどちらの手法にもメリット・デメリットが存在しており、結論としては利用ケースにおける最適な使い分けが必要そうでした。
この見極めには、要件への深い理解や考察が重要であると改めて認識し直しました。
おわりに
とても刺激的で、大変学びのある3日間を過ごすことができました。
講演者の方々含め、運営に関わってくださった皆様、本当にありがとうございました!
私たちも日々進化するAndroid技術をキャッチアップしながら、より良いサービスを提供できるよう、引き続き取り組んでまいります。
当社では、要件定義フェーズからチームメンバーが主体的に開発を進めており、プロジェクトの方向性を見極める力を大切にしています。
技術的な知見を広げながら、柔軟な発想で問題解決に取り組めるエンジニアの方と一緒に働けることを楽しみにしています。
私たちの開発スタイルに興味を持っていただけた方は、ぜひ一度ご連絡ください! www.optim.co.jp
また、社内外のエンジニアと知見を共有する場として、不定期でテックナイト(勉強会)も開催しています。
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