こんにちは、はじめまして。プロモーション・デザイン室(以下、デザイン室)の清水です。
OPTiM TECH BLOG Advent Calendar 2020 12/2 の記事です!
今回はオプティム創立20周年記念ロゴがどのようにできたのか、備忘録を兼ねてご紹介します。
- どんなロゴ作ったの?
- ロゴを作ったきっかけ
- レッツロゴ作り!の前に
- ラフ案を作成する
- トーン&マナーの認識あわせをする
- ラフ案を清書する
- ブラッシュアップする
- ガイドラインを作成する
- ガイドラインを元に展開する
- まとめ
- おわりに
どんなロゴ作ったの?
今回のロゴのコンセプトは、「Stay Blue」。
二十年という激動の青春時代を駆け巡り、まだまだ勢いのある若さと輝かしい未来を目指す企業の再出発という思いを込めました。
勢いよく何重にも重ねた手書きのブラシ背景ベースに、親和性のある20周年の表記とスローガンである「Stay Blue, Stay Optimistic」のタグラインを合わせました。
オプティムの経営理念に則り、まだまだ青く、これからも身の丈に合わない大きな志を持ち、楽しみながらイノベーティブな挑戦を続ける姿勢を表現しています。
ロゴを作ったきっかけ
ことの発端は3月に遡ります。
弊社では毎年6月8日の創立記念日に「OPTiM Day」という催しを行っています。全社員が一同に介し、この日ばかりはお互いがお互いを称え合い、お酒を飲み、お祝いをしようというお祭りのような日です。 例年は映画館やパーティー会場を貸し切るのですが、今年は新型コロナウイルスの流行の影響もあり、オンラインでの生配信という形で行いました。
今年は記念すべき20歳のお誕生日ということもあり、お祝いのために「記念ロゴを作ろう!」と思い立ちました。
インハウスのデザインチーム発足から約6年、これまでプロダクトや製品のロゴを作成することは多くありましたが、記念ロゴというものは作成したことはありませんでした。 また、メンバー個別でロゴを作ることはあっても、デザイン室というチームで1つのロゴを作ることがなかったため、デザイン室としても新たな試みとして取り組んでみよう、ということになりました。
さらに、ロゴ制作の話が上がった3月時点で既に新型コロナウイルスの影響が広まっており、弊社でも全社テレワークを実施している真っ最中の出来事。 テレワーク中でも、対面時と同様にチームでのコミュニケーションや共同作業が恙無くできるだろうか?という不安を払拭する試みにもなりました。
レッツロゴ作り!の前に
さて、普段ロゴを作る機会のない方のロゴを作る時のイメージはどんな感じでしょうか?
「とりあえずノートにラフをたくさん描く!」「ひたすらイラレで作る!」でしょうか?
もちろんたくさん描く!から始めることもあります。
しかし、方向性が決まる前に「たくさん描く!」をはじめると、コンセプトが固まらず「なんとなく」なものに仕上がってしまうことがあります。
また、途中まで進んでいたロゴ案でも途中で「あれ?違ったかな?」という戻りが発生してしまいやりなおしになることもあります。
それらを防ぐために、今回は最初にこのロゴを見たときに「どう感じて欲しいか?」というコンセプトから固めていくことにしました。
死守するポイントを設ける
まずは、これだけは大前提として守りたい!というポイントを2つ設けました。
- かっこいいロゴをつくる
- ロゴを起点としてVI(ビジュアル・アイデンティティ)をきめ、ブランディングの統一を図る
「かっこいいロゴをつくる」
これは様々なビジネスツールやノベルティにロゴを利用したものを社外のお客様や社内のスタッフに配った際に、「かっこいい!」「普段使いしたい!」と思えるようなものを作りたいという想いからです。 記念品だからといって、お披露目の日以降日の目をみなくなってしまうより、せっかくだったら擦り切れるくらいまで使ってもらえるような飽きのこないデザインにしたいですよね。
「VI(ビジュアル・アイデンティティ)」
企業や商品がかかげる理念を共有するために、世の中に一貫したイメージ“●●らしさ”を作り、より良いものを作り続けていこうとする企業戦略=「CI(コーポレート・アイデンティティ)」というものがあります。CIは3つの要素から成り立っていて、そのうちの1つが「VI」です。
ロゴを決めて終わるのはなくVIを設定することで、「20周年」に関係するロゴ以外のWebサイトや印刷物、ノベルティなどすべてのデザイン制作したものの統一感を持たせるための指標となります。 その他のメリットとして、複数人の異なるデザイナーが制作をしてもVIを認識することで統一されたデザインをアウトプットできるようになり、ブランド力をしっかり打ち出せるようになります。 VIを含むガイドラインを作るためにも、チーム内でより密なコミュニケーションを取ることで、同じゴールを目指そうという目標を立てました。
キーワードを洗い出す
それでは、ポイントに沿ってロゴを作るためのキーワードを洗い出してみましょう。 まずは1つめの「かっこいいロゴをつくる」。
・・・そもそも 「かっこいい」 とは・・・?
初手から詰まって道のりが遠のいてしまうと感じたため、視点を変えて
“「かっこよくない」と感じるのはどういうとき? ”
という観点から考えてみました。
メンバーの共通意見として、「創立記念の○○周年ロゴってどこか“ありきたり“になりがちだよね」という声。
では一体何が記念ロゴたちを「ありきたり」にさせているのか・・・
直感的に「ありきたり」と感じてしまう記念ロゴをかきあつめ、その中から「ありきたりになりがち」として共通しているポイントを分析してみました。
- 「0」つきぬけがち:輪をくぐり抜けて「未来へ・・・」的なコンセプト
- リボンあしらいがち:お祝い=リボンという記号がテンプレ化
- 地球ともないがち:0の丸を地球に見立てることで9割の主役が地球に
- 笑顔あしらいがち:親しみやすいけど「カッコよさ」とはかけ離れる
- 強弱つけがち:どこかレトロさが滲み出てしまう
※あくまで個人のイメージです。
以上の5つを避けてデザインを考えるだけでも、ラフ案の作成を最小に抑えられます。 また事前にこの観点を共有しておくことで、修正するときにこれらの要素を取り入れることもなくなり手戻りを削減することができます。
次に、2つめの「VIの設定」のために、オプティム20周年を連想させるキーワードを選定しました。
- STAY BLUE:STAY GREEN「まだまだ青く(若い気持ちで)いようぜ!」という言葉を、オプティムらしさを含む言葉としてもじったもの
- 電球:社長の「ひらめき」力を表す象徴として、OPTiM INNOVATION 2019でも利用したシンボル
- ♾(無限大、インフィニティ):「○○×IT」ソリューションでも利用している、組み合わせや可能性が無限大であることを示すキーワード
以上のいずれかをモチーフとして取り入れることで、「らしさ」を取り入れたデザインを作ることができます。
ラフ案を作成する
前述の2つの要素を踏まえた上で、デザイン室メンバー5名でモノトーンのラフ案を作成し出し合いました。 全社的なテレワークの最中だったので、もちろんアイデア出しや意見の共有もオンラインで行いました。
ラフ案は色をつけずモノトーンで作成しました。そうすることで色の印象にひっぱられることを防ぎ、またロゴを小さく表示してもしっかり確認できるか?という視認性を確認することができます。
トーン&マナーの認識あわせをする
次に、トーン&マナーの合意をチーム内でとります。
トーン&マナーとは、デザイン・クリエイティブの表現をルール化したものです。
コンセプトを端的な2つの単語で表すと、よりどちらに近いか?というものを視覚的に表すことでルール化します。チーム内の個々人があやふやに持っている「オプティムらしさ」というものを具体的に視覚化することで、認識のズレを減らし共通認識を得ることができます。
今回のロゴは柔軟性があり先進的でありながらも、若々しさと賑やかさを兼ね備えたテイストにすることで「STAY BLUE」を体現することを目指しました。
トーン&マナーをすりあわせた上で、先ほど出したラフ案たちを以下の2択だとどちらに近いイメージか?を視覚化するためにマトリクス図にまとめます。
- WARM or COOL:温かみがあるか、爽やかさがあるか
- SOFT or HARD:曲線的かつ柔軟か、直線的かつ重厚か
マトリクス図にまとめたうえで、より「STAY BLUE」に適した5案に絞り込みました。
ラフ案を清書する
絞った5案を、ラフを作ったメンバーと別のメンバーが清書を行います。事前に方向性を確認しているため、担当者がかわっても方向性が変わることなく、同じ人が一貫して作成するよりもロゴにより多面的な観点を持った制作を行えます。
清書の段階で、利用するメインカラーやフォント、パターンイメージなどをあわせたムードボードを作成します。
単一のロゴデザインのみを置くだけより、ロゴ案が決定したときどのように派生ができるか?という先のイメージをあらかじめ膨らませておくことで、より完成イメージに近いものを選択することができます。
ムードボードを作成する
ムードボードをテンプレート化した上でそれぞれデザイン制作することで、より他のデザイン案と比較しやすくしました。
そうして出来上がったのが、以下の5案です。
こうして5案が出揃った中から社長プレゼンにて選ばれたのが「A.ブラシ案」でした。
ブラッシュアップする
無事デザインの大枠が決まりました!
しかしこれで終了ではありません。むしろここからが本番ともいえます。
決定したロゴをより洗練されたものに仕上げるために、細かくブラッシュアップしていきます。
記念ロゴは、単体で使われることよりも他のデザインとの組み合わせや拡大縮小して利用されることのほうが多く想定されます。様々な利用シーンを想定したうえで、いかなるときでも違和感を持たないようなデザインに仕上げることが重要です。
現在のロゴデザインのうち直感的に「修正した方が良い点」を上げます。
修正を重ねて、次のようにブラッシュアップして行きました。
さらに1色ではなく複数の青色を重ね、色合いに奥行きをもたせることで完成。
約2週間ちょっと、数回のリテイクを重ねてようやく冒頭でご紹介したデザインへと行き着きました。
なんとOPTiM Dayの数日前というギリギリでした。間に合ってよかった〜。
ガイドラインを作成する
ロゴが完成して終わりではありません。最初にあげたように、「ロゴを起点としてVI(ビジュアル・アイデンティティ)を決めブランディングの統一を図る」ために、ガイドラインを作成していきます。
ガイドラインには、カラーイメージや用途に合わせて変形したロゴパターンなどロゴを使う上で守ってほしいルールを掲載しています。
ロゴが決定する前からガイドラインの基盤を作成し、ロゴ選考と同時並行で作成を進め、1ヶ月ほどかけて作成されました。
ガイドラインを元に展開する
完成したガイドラインを元に、他のコンテンツもデザインしました。
20周年記念Webサイトのデザインは、ロゴのガイドラインルールを元にデザインされているため、一貫したテイストで編成されています。
20周年記念Webサイトにはスペシャルムービーやオプティムのこれまでの歩みなどのコンテンツも掲載しています。
そのほかにも、オンライン会議の背景や壁紙に利用できるオリジナル背景画像なども作成しました。ダウンロードしてみてくださいね。
スペシャルコンテンツ | 20周年記念 特設ページ | OPTiM
今後も更新されるかもなので、是非チェックしてみてください。
まとめ
今回は3ヶ月という期間で、さらに各々がテレワークであるという状況下であっても、ビジョンを共通化しておくことでチームでの共同作業がスムーズできるという体験ができました。
今後も常に多くのサービスが誕生するオプティムのスピード感に沿ったデザインができるように、様々な手法で効率化を図れたらいいなあと考えています。
おわりに
オプティムでは、エンジニアだけではなくデザイン室で一緒に働いてくださるメンバーも探しています。
デザイン室では、UIデザインやロゴデザイン、印刷物・Web制作、マーケティングなどオプティム製品にまつわる様々なデザインのお仕事をしています。
UI/UX、ブランディング、Webプロモーションなどに興味がある方、ぜひご応募お待ちしています。