こんにちは、AI・IoTサービス開発部でマネージャーをしている和田です。
今回は、部内で取り組んでいる、プロダクトごとの四半期OKRの試みを紹介します。
背景
OPTiMのプロダクト開発では主に、ビジネス統括本部がいわゆるビジネスサイドを、技術統括本部・サービス開発統括本部が開発・運用を担っています。
私が所属する技術統括本部 AI・IoTサービス開発部では、クラウドAI画像解析サービス「OPTiM AI Camera」、現場データ管理ソリューション「Smart Field」、AIを活用した契約書管理サービス「OPTiM Contract」、クラウド機器管理サービス「OPTiM IoT」、現時点では未発表の新規サービスなど、複数のサービスを開発しています。
そのようなチームを、私は下記のようなチームでありたいという思いで運営しています。
- プロダクトを中心に、セールス/企画/開発/運用が同じゴールを見ていて、技術的なチャレンジが事業成長に直結している
- チームやプロダクトをまたいでも、誰が何をやっている、何に興味を持っているというインデックスが形成されていて、お互いに顔が見えていて、気軽に雑談や相談ができる関係性になっている。
- チームの価値観やミッション・取り組みが社内に伝わっていて、マネジメントや他チーム・ビジネスサイドからも共感を得ている。
- オンラインとオフラインそれぞれの良さを最大限活かしている。各自がプライベートでの困り事なども一定開示して、相互に支え合っている。マネジメント含めて周りから話しかけられやすい人でありたい。
そして今期は部の運営方針として、「2軸の一体感」を掲げています。
組織軸では、隔月の部全体MTGでの各チームの活動紹介、若手主催で定期開催してくれている部内勉強会、各自の週報を部内で流す、部全体での雑談の場としての分報@slackなどの取り組みをしています。
今回は、もう一つの軸であるプロダクト軸で試みている、プロダクトOKRについて紹介します。
OKRとは
OKRとは、目標管理手法の一つで、Objectives and Key Results(目標と主要な結果)の略称です。
書籍『Measure What Matters 伝説のベンチャー投資家がGoogleに教えた成功手法 OKR』などを参考に、私はOKRを下記のように理解しています。過去に社内で紹介したスライドを転載します。
私たちのチームにおけるプロダクト四半期OKRの試み
OPTiMでは、本部のような大きな単位でOKRを設定している例もあります。現状、私たちのチームでのプロダクト四半期OKRは下記のように運用しています。
- 各プロダクトで四半期ごとのOKRを1-2個設定する
- 企画と開発で一緒に設定、マネジメントと合意形成する
- Objectiveは、ゴールと意図を表し、野心的だが現実的に
- Key Resultsは、測定可能なもの、1つのObjectiveに対して最大5つ
プロダクト開発・運用をしていく中では、「やった方が良いこと」は常に無限にあります。その中から、今の局面で解くべき必然性が高く、かついま良い解を出しうる(『イシューからはじめよ』でいうイシュー度が高い)テーマをみんなで見つけてフォーカスすることが重要だと考えています。
また、1年や半期という長いスパンでOKRを設定すると、刻々と変わるプロダクトの事情についていけなくなってしまいます。OKRがその時々のプロダクトの注力とずれてきてしまうと、共通で追いかける目標としての価値を失ってしまいます。
そこで、私たちはプロダクトOKRを四半期ごとに設定してみています。また、設定するに当たって関係者で喧喧諤諤する過程を大事にしたいと考えており、みんなが挑戦したいと思えるObjetiveの言語化(マネジメントにも伝わり共感を得られる内容と言葉で)にボトムアップで取り組んでいます。
残念ながらここで具体のOKRを紹介することはできませんが、運用してみると下記のようなさまざまなタイプのObjectiveが設定され始めており、チームやプロダクトのフェーズによる色が出て(それぞれのチームらしい目標になっていて)良いなと感じています。
- スローガン的なObjective
- 「企画・営業・開発チーム総力戦でV字回復の兆しを掴む!」(KRが具体的な取り組みテーマや到達目標)
- 「ペルソナ(hogehoge)が泣いて喜ぶfugafugaを作る」
- ビジネス面の到達目標やカスタマーサクセスに関するObjective
- 「X社案件を受注する/完遂する」
- 「X社に導入完了し、既存業務を置き換えた状態にする」
- 「月xライセンスを新規獲得する」
- 改善活動に関するObjetvie
- 「ユーザーフィードバックを収集し、n個以上の改善をリリースする」
- 「保守運用コストをx%削減する」
- 目玉機能のリリースに関するObjetive
- 「○月までにユーザが○○できるようになる」
プロダクトごとのNorth Star Metricの設定にも挑戦していて、この先ではNorth Star Metricの成長目標もObjetiveに挙げていけると良いと考えています。 ※North Star Metricについては Amplitude | Product Analytics & Event Tracking Platform | Amplitude などをご参照ください。
人事考課との関連性
プロダクト四半期OKRは弊社の正式な制度ではなく、人事考課とも明確には紐づけていません。
実際上は、各自で設定する考課目標のうちの1つ以上はプロダクトOKRに関連するものを掲げている方は多いです。その場合は、KRを7割くらい達成すればその目標は達成とする(KRを完全に達成した場合は大幅達成とする)くらいの感じで設定していることが多いです。
運用してみての気づき
最後に、運用してみての気づきを挙げてみます。
- フォーカスやアウトカム/インパクトを示すObjectiveを目指す
- ObjetiveもKeyResultも「タスクリスト」にならないように注意しすぎるくらい注意する
- アウトプットよりも、ユーザーへの提供価値/行動変容やビジネスKPIを意識して設定する
- ObjectiveとKeyResultsのロジックツリーを検証する
- KeyResultを全て達成すれば、Objectiveが達成できたといえるKR設定ができていること
- 定期的にレビューする
- いまのフォーカス事項とずれていないか、「野心的」ではなく達成不可能になっていないか、など
- 話題の中心にし続けるために工夫する
- 部の全体ミーティング、チームリーダーの週報、プロダクト定例などのアジェンダに組み込む
おわりに
オプティムでは、技術的なハックや雑談をみんなで楽しみながら、プロダクトに愛着を持って一緒に目標を追いかけていく仲間を募集しています。