iOSDC Japan 2025に参加してきました

こんにちは! OPTiM Biz開発チームの山田、北川、片岡、福原です。 今回はiOSDC Japan 2025に参加してまいりましたので、会場の雰囲気や内容をレポートします!

iOSDCについて

iOSDC Japan はiOS関連技術をコアのテーマとした技術者のためのカンファレンスです。

基礎的な入門セッションから最先端の専門的なトピックまで幅広くカバーされており、 初心者からベテランまで全てのレベルの技術者が楽しめるのが特徴です。

会場は、有明セントラルタワーホール&カンファレンスで開催されました。

また、ニコニコ生放送にて、オンライン配信も視聴可能でした。

会場の雰囲気

会場は広々としていて、イベント中もリラックスして過ごせました。

また、ジュースやお酒なんかも提供されていました!

感想

山田

気になったセッション:「半自動E2Eで手っ取り早くリグレッションテストを効率化しよう」

「半自動E2Eで手っ取り早くリグレッションテストを効率化しよう」というセッションに参加しました。 E2Eテストの自動化はどの企業でも課題になりがちですが、この発表では調査に一年をかけながらもクラウドではなくローカル環境でAppiumを使い、スクショをOCRで判定するなど、かなり現実的かつユニークな工夫を取り入れている点が印象的でした。 特に、スクラム開発で週次リリースを繰り返す中、完全自動化を目指して立ち止まるのではなく「半自動でもまず運用を回す」という考え方には強く共感しました。 E2Eは理想と現実のギャップが大きい領域ですが、試行錯誤を重ねて実際に回している姿は非常に学びになりました。完璧ではなくとも一歩進める姿勢こそ、チーム開発において重要だと改めて感じました。

福原

気になったセッション:「スマホで海難事故は防げるか?年間2000件以上の小型船舶の事故に挑むアプリ開発」

本セッションは、「スマホで海難事故を防ぐ」という社会的意義の高いテーマに対し、チームが長期間にわたってiOS開発での取り組みを紹介した、非常に熱量の高い発表でした。 小型船舶の事故が年間2000件を超えるという現状 の中、高価な既存のAIS(船舶自動識別装置)に代わり 、スマートフォンを活用した衝突・浅瀬 危険検知システムを開発するという着想がまず画期的だと感じました。 特に、操船中に画面を見るのは危険という現場のフィードバックから、危険検知を知らせるメインの通知インターフェースをスマートフォンから、騒音下でも確実なApple Watchの振動へとシフトさせた検証結果は、Apple Watchの利点を活かし、使いやすさを徹底的に追求した工夫であり、非常に学びが深かったです。 技術の追求が、最終的に人命や社会の安全という最も尊いものに繋がっていることに、改めて感銘を受けました。

片岡

気になったセッション:「スマートフォン 来し方行く末 〜どこから来てどこへ往くのか〜」

「スマートフォン 来し方行く末 〜どこから来てどこへ往くのか〜」というiPhoneを中心にスマートフォンの歴史を振り返るセッションが非常に興味深かったです。 初代iPhoneが革新的なタッチUIと共に登場し、iPhone 3GからAppStoreやプッシュ通知が追加され、iPhone 4でRetina Display、iPhone 5SでTouch IDと64bitプロセッサA7の採用など、ハードウェアとソフトウェアの両面で着実に進化してきた歴史を追うことができました。特にA7の64bit化では、バイナリサイズやパフォーマンスの懸念があったものの、実際には全てが良くなったという話は技術選択の重要性を感じさせるものでした。 登壇者のHakさんが実際にiPhone 4の開発に携わっていた時のお話も非常に興味深く、FaceTimeの検証のために夜中にスタンフォード大学の3.5G回線に接続しに行ったエピソードは、開発の現場ならではのリアルな話で印象に残りました。 また、iPhone 11頃からハードウェアデザインが飽和してきており、発熱問題も顕在化してきているという現状分析も納得できるものでした。AppleがiPhone 17でVapor Chamberを採用したという話からも、熱設計の重要性が増していることがわかります。 スマートフォンの進化の歴史を技術的な観点から整理して振り返ることで、今後の技術トレンドを考える良いきっかけになりました。

北川

気になったセッション:「カスタムUIを作る覚悟」

「カスタムUIを作る覚悟」が印象的でした。標準コンポーネントの枠を越えて独自UIを採用する際の判断軸と実務上の要点を、実践的に整理したセッションでした。 ブランド体験の差別化という理由だけでなく、OSアップデートや多様化する入力(タッチ/ペン/キーボード/ポインタ)への追従、アクセシビリティやパフォーマンスの責任範囲といった観点まで一貫して語られていました。標準UIで十分なケースとフルスクラッチを選ぶべきケースをどう線引きするか、導入前に何を検証し、導入後は何を継続的に担保するのか――意思決定のフレームワークとして非常に有用でした。 特に印象的だったのは、「見た目の実装」で完了とせず、操作感(ジェスチャの競合や慣性のチューニング)、レンダリング負荷やFPSの安定性、iPadのマルチウィンドウでのレイアウト再計算までを「品質」として定義している点です。これらを満たすための検証計画(プロトタイプ→短サイクル評価)や、将来の置き換えを前提にした再利用・拡張性の設計思想は、技術負債を抑制しつつ体験価値を最大化するうえで極めて実務的だと感じました。 本セッションは「作る勇気」だけでなく「維持する覚悟」を明確にされており、独自UIがもたらす差別化の効用と継続コストの双方を可視化できる点で長期運用を前提とするプロダクトの意思決定に直結する内容でした。

終わりに

iOSDC Japan 2025への参加を通じて、iOSの技術が現場でどのように活用されているかやアプリの品質向上に直結する実践的な技術情報を深く得ることができました。 ここで得た知見を、チームの開発プロセスや技術力向上に活かしていきたいと思います。 OPTiMには、iOSアプリケーション開発だけでなく、多方面で高い技術力を持つエンジニアが多く在籍しています。 そんな方々と共に「ネットを空気に変える」を実現するプロダクトの開発を進めていきませんか? ご興味のある方は、ぜひ一度ご連絡ください。