はじめまして。オプティムの寺内と星です!
私たちは MDM(OPTiM Biz) の開発をしています。
1/8(水)~1/10(金)の3日間にわたって開催された Regional Scrum Gathering Tokyo 2025 (RSGT2025) にオンラインで参加しました。
イベントの紹介や、印象に残った講演の感想についてレポートしていきたいと思います。
RSGT 2025について
2025.scrumgatheringtokyo.org
RSGT(Regional Scrum Gathering Tokyo) は、日本で開催される最大級のスクラムやアジャイル開発に関連するカンファレンスです。
東京で行われる Regional Gathering としては14回目になります。
このイベントは、ソフトウェア開発やプロジェクト管理におけるスクラムやアジャイルの実践方法、最新のトレンドやベストプラクティスを共有する場ともなっています。 RSGT では Gathering の名の通り、セッションを聴くだけでなく、ワークショップがあったり、会場の至るところでコミュニケーションが盛んに行われていて、このコミュニケーションがより学びや成長につながったり社外の人のネットワーク形成に繋がっていくことも多いようです!
参加のきっかけ
私達のチームではスクラムを開発フレームワークとして取り入れて、新機能開発を行っています。
スクラム開発を行う中で「スクラムをやってはいるけどいまいち成果がでているのか分からない...」「このやり方で合っているのだろうか...」といった課題を持っていました。
そこで、他の会社で実践されている取り組みや同じような開発チームでの経験談を参考に、アジャイル開発そのものへの理解を深め、スクラムチームをよりよくしたいと考えたのが参加のきっかけです!
聴いたセッション一覧
- スプリントレトロスペクティブ Deep Dive
- スクラム"だけ"を正しくやろうとして価値あるプロダクトになるかな?
- 駆け出しリーダーとしての第一歩 〜サーバントリーダー視点から見た開発チームとの新しい関わり方〜
- スクラムを実践して気づいたメーカーでも活用できる仕事にやりがいを感じるプラクティス
- 講演者:伊里大介さん、山田吉彦さん
- リンク:講演概要
- 概要:このセッションでは、2社による伴走型開発についてのお話を聞くことができました。プロダクト開発と人材育成のバランスを取り、個人/チームでの成長を加速させると同時に、チーム外への透明性を上げることで開発の高速化を実現させたという、貴重な実績を聴くことができ、大変勉強になりました。
- 「スクラムマスターしているけど、上手くできている気がしない」からの脱却!人格主義から始めるスクラムマスターライフ
- プロダクトマネージャーこそがリーダーだった!? リーダーシップ論から見るPdMとスクラムのいびつな関係
- 現場で使える!スプリントプランニング体験ワークショップ
- 講演者:貝瀬健さん、才賀良太さん
- リンク:講演概要
- 概要:スクラム開発を進める中で「プランニングのやり方これで合ってる...?」と不安になったことがある方、たくさんいると思います。このワークショップでは実際の業務に近い形でプランニングの進め方を理解することができました。
特に気になったセッションについて
寺内
- 講演:スプリントレトロスペクティブ Deep Dive
- 講演者:吉羽龍太郎(ryuzee)さん
- 講演リンク:https://confengine.com/conferences/regional-scrum-gathering-tokyo-2025/proposal/20572/deep-dive
スクラム beginner 向けに、スクラムやスクラム関連要素を詳細に解説する「Deep Dive」シリーズ5作目、「スプリントレトロスペクティブ」を聴講しました。
スクラムの3本柱は「透明性・検査・適応」であり、その中の「検査」「適用」の場として機能する「スプリントレトロスペクティブ」は、非常に重要な役割を担っています。このセッションでは、「スプリントレトロスペクティブ」の定義・目的という基本的な部分をはじめ、スクラムを効果的に行うために考慮すべき点等が解説されており、スクラムの解像度をまた1段上げることができました。
特に印象的だったのが、改善のアクションアイテムについての、『インパクトの大きいものを厳選して実施』し、『やらずに済ませる仕事の量を最大にする』という内容です。自分のチームでは、インパクト小~中の改善策は待ちタスクとして溜まりがちであったため、「やらない」という選択も有りだという新たな視点を得ることができました。
また、「楽しさ」「幸福感」が重要である、というお話は、当たり前のようであまり意識できていない部分だったと感じました。ポジティブな感情を増幅させることで、個人だけでなくチーム全体のパフォーマンスを上げることができるため、どうやったら「楽しさ」「幸福感」を生み出しつつ、同時に価値のあるインクリメントを届けることができるのかを考え、自分のチームに合ったやり方を模索していきたいです。
余談ですが、ryuzee さんの読み方は「りゅうじい(爺)」さんなんですね。「りゅぜぇ」さんだと思っていました...(笑)
Deep Dive シリーズの過去4作についても資料・動画が公開されていますので、是非シリーズ全作ご覧ください!
星
- 講演:プロダクトマネージャーこそがリーダーだった!? リーダーシップ論から見るPdMとスクラムのいびつな関係
- 講演者:今井健男(ぼのたけ)さん
- 講演リンク:https://confengine.com/conferences/regional-scrum-gathering-tokyo-2025/proposal/20944/pdm
「プロダクトマネージャーこそがリーダーだった!? リーダーシップ論から見るPdMとスクラムのいびつな関係」というセッションを聴講しました。 ぼのたけさんはPdMとスクラムチームの関係を研究されています。 今までの研究を土台にした、「PO(プロダクトオーナー)とは別にPdM(プロダクトマネージャー)がチーム外に存在する時スクラムチームのリーダーって誰なの?」が本セッションのテーマです。
チーム外にPdMがいる前提では、PdMは必ずしもスクラムの観点を持っていないことから価値観の不一致が発生することがよくあります。では逆にチーム外のPdMとスクラムチームの価値観が一致している環境を作ることができれば問題は発生しないのでは?という切り口から考察が進んでいきます。
その中でもフィーチャーファクトリーに関する考察が印象的だったので紹介します。 フィーチャーファクトリーとは、その名の通り「機能工場」として指示された機能群をただ開発するだけの組織を指す概念です。プロダクト開発においてはこのようなフィーチャーファクトリーではなく、自律的に価値を創造する組織でなくてはならないというのが通説です。
ここではフィーチャーファクトリーであってもPdMの価値観との適合性によってはプロダクト開発は上手く機能するのでは?という仮説が立てられており、とても興味深かったです。 つまり、「とにかく機能を作ってくれたら良い!」という指示的なPdMと、「とにかくコードが書ければ良い!」という開発チームは上手く適合するのではないかという発想です。 エンパワーメントされた自律的なチームと、フィーチャーファクトリーとの有効性にどのような差が出てくるのかは、これからの研究で実証されるようなので、今後の展開も気になるところです。
おわりに
オンライン参加でしたが、とても学びのある3日間でした。
次こそはオフラインで参加し、「Gathering」したいと思います!
Scrum Tokyo (@ScrumTokyo) / X
>#RSGT2026 は 2026/1/7-9ベルサール羽田空港でハイブリッド開催します。
弊社の開発でもスクラムを取り入れています。 アジャイル開発や、スクラムに興味のある方はぜひ一度ご連絡ください! www.optim.co.jp
また、社内外のエンジニアと知見を共有する場として、不定期でテックナイト(勉強会)も開催しています。 技術に興味がある方はぜひお気軽にご参加ください! optim.connpass.com