ポテンシャル新卒採用とIT研修 (2023年度版)

久方ぶりです。中野です。
本日は、オプティムのポテンシャル採用向けの新卒研修の近況について紹介したいと思います。

過去同様の記事を出しておりますが、これらの2023年度版になります。

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また、採用ページにも研修の紹介をした記事がありますので、ご興味あれば御覧ください。

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研修は毎年改善・アップデートしておりますので、本記事、過去記事ともに、あくまでその時の研修がこうだった・・という履歴となりますのでご留意ください。

ポテンシャル採用とは

オプティムの新卒採用は、大きくエンジニア採用とポテンシャル採用(総合職)の2つの区分があります。 ちなみに、営業、法務、経理、、なども個別に積極採用しております。詳細は是非こちらをご覧ください。 https://www.optim.co.jp/recruit/new-graduate/

エンジニア採用とは、エンジニア配属が確定した区分での採用となります。 基本的には情報系出身でプログラミング経験がある程度ある候補者が該当します。 これに対してポテンシャル採用とは、ビジネス配属(営業・企画)やエンジニア配属など様々な配属の可能性がある区分となります。 最終的な配属先は、入社後の研修期間中に決定されます。 ポテンシャル採用は非情報系出身者も多くおられます。

まとめると以下のようになります。

採用区分 研修 配属
エンジニア採用 共通研修 → エンジニア研修(現場OJTと同時並行) エンジニア配属
ポテンシャル採用 → IT研修 → IT研修
→ ビジネス研修 ビジネス配属

新卒研修の流れ

オプティムの新卒研修は、最初は職種横断の共通研修から始まりますが、研修が進むにつれてポテンシャル採用向けとエンジニア採用向けで分岐していきます。 (本記事ではポテンシャル採用向けに実施しているIT研修にフォーカスを当てて紹介します)

共通研修はオプティムの事業や制度に関するオリエンテーションなどを中心に、同期同士の繋がりを深めて頂く場としても職種毎に分けずに全員合同で実施します。研修は毎年改善されており共通研修の期間も年度によって異なりますが、およそ2週間程度となります。そののち、ポテンシャル採用向けの研修とエンジニア採用向けの研修は分岐し、それぞれの形で行っていくことになります。本記事では詳細は割愛しますが、エンジニア採用の方々は共通研修後に現場配属し、実業務に従事しながら実際に感じる課題感を週1ペースの集合研修でフォローしていく、OJTとのハイブリッド型の研修スタイルをとっています。

ポテンシャル採用向けの研修はIT研修とも呼ばれ、この研修はSTEP1〜4の4ステップに分かれています。このSTEP1〜4のどこかのタイミングでそれまでの研修の結果と希望など様々な点を考慮してエンジニア配属かビジネス配属かの方向性が決定されます。この決定を元にポテンシャル採用向けの研修は更に分岐し、IT研修とビジネス研修に分かれることになります。エンジニア配属となる方は、引き続きIT研修の残りのコンテンツを実施していく形となります。

IT研修の内容

前提として、このIT研修はポテンシャル人材に向けた研修です。ポテンシャル人材のバックボーンは様々で、情報系でなく全くプログラミングをしたこともない人もいれば、同じく情報系ではないけれども大学の研究の兼ね合いで多少なりともプログラミングできるという人までいます。

このIT研修はそのようなさまざまなバックボーンを持つ人達に、IT全般の知識を伝え、またプログラミングの基礎をインプットする場として設けてあります。

期間は約2.5ヶ月です。ただし、GWなどを含めると正味2ヶ月程度となります。この期間で、インプットしうる限りをインプットしてもらうことになります。

具体的な内容は2つのコンテンツからなります。座学と実習です。前述のSTEP1〜4というのは実習のことで、段階的にプログラミングの基礎を扱います。座学は実習に並行して行い、プログラミングの下地となるIT全般の知識をつけてもらいます。

本研修のゴールは、研修修了時点でエンジニアとしていきなり即戦力*1になれるようになる、といったものではありません。もちろん、それが叶えば最高ですが、2.5ヶ月という期間を考慮するとそれは無茶な目標です。

ポテンシャル採用からエンジニアとして配属される方は半年〜約1年かけて現場でのOJTを通して徐々にエンジニアとして立ち上がって頂く事をイメージしております。どうしても知識や技術が定着するには数をこなし試行錯誤が必要で、時間が必要となるからです。

そのためこの研修では、最初の立ち上がり期間を走り切るための下準備、あるいは時に道標となるような内容を重視しています。それぞれの領域をじっくり教え込むことはしません。基礎を固める、ということもしてません。基礎は反復訓練によって固まるものであり、この短い研修時間だけでは達成し得ないためです。この研修では、色々な技術や知識に対するインデキシングにウェイトが置かれています。技術や知識は身についておらずとも、いざ必要になったらキーワードを思い出して調べることができる状態を目指します。

座学

座学では、プログラミングにとどまらず、IT全般の知識を得ることを目的にしています。 あくまでポテンシャル採用者が対象となるため、高度で専門的な内容ではなく、幅広く全般的な内容が中心になります。 (ただし、エンジニアがふとした時に見直すために利用できる資料にもなっています)

コンテンツは大雑把にわけると21に分類できます。またそれぞれが前後編に別れていたり、いくつかの小分類に別れていたりします。これらの内容について、それぞれ動画*2や資料形式で教材が用意されていて、それぞれのタイミングで視聴・閲覧していただく形になります。動画形式であるため、いつでも見返す事ができます。

  1. Getting Started​​​​​​​
    • PCセットアップ、Markdown記法、など
  2. 業務開発
    • 業務開発概論、Git、チケット管理、など
  3. エンジニアリング基礎
    • 情報の探し方、バグとは、オープンソースソフトウェアとは、など
  4. プログラミングの基本
    • プログラミング基礎、プログラミング言語、など
  5. コンピュータ基礎
    • コンピュータのインターフェース、データ形式など
  6. コンピュータアーキテクチャ
    • コンピュータの仕組み、など
  7. オペレーティングシステム
  8. オブジェクト指向
  9. 並行と並列
  10. ドキュメンテーション (UML)
  11. データ構造とアルゴリズム
    • 計算量、データ構造、ソートアルゴリズムなど
  12. ネットワーク
    • ネットワーク概論、TCP/IP、DNS、URLなど
  13. WEB
    • WEB概論、HTTP、WEBアプリケーションフレームワーク、フォーム、Cookieなど
  14. IDと認証・認可
  15. データベース
    • データベース基礎、RDB、SQL、DB設計など
  16. セキュリティ
  17. SSL/TLS・PKI
  18. 非機能と品質
  19. ソフトウェアテスト
    • テスト概論、単体テストなど
  20. インフラ設計
  21. 仮想化技術
    • Docker、Docker Compose、Kubernetesなど

実習

実習では、実際にプログラミングを学びます。

実習でどの言語を使ってもらうか、なにを作ってもらうかは、毎年少しずつ事業の状況に応じて変わっています。2023年度はJavaScript/TypeScriptを採用しましたが、過去はGo、Ruby、Javaなどもありました。

実習は前述の通り4ステップに分かれています。最後のSTEP4がメインコンテンツであり、STEP1〜3はその下準備的な内容となっています。

  • STEP1
    • 約3週間
    • プログラミングの基礎、いろはを学ぶ (JavaScript)
    • タイピングがスムーズにできるようになる (寿司打など)
    • 演習課題3つ
  • STEP2
    • 2日
    • SQLでデータベースを操作できるようになる (PostgreSQL)
    • Dockerも触る (Compose中心)
  • STEP3
    • 2日
    • NoCodeでWEBアプリを作ってみる (Bubble.io)
    • STEP4に備えも兼ねて、WEBアプリの構造、UI要素や振る舞いを知る
  • STEP4
    • 約1.5ヶ月
    • チーム開発でWEBアプリをスクラッチ開発
    • お題はエンタープライズ向けチャットアプリ
    • TypeScript、Vue、Node、Express、PostgreSQL

オプティムの製品にはエンタープライズ向けのもの(いわゆるB2B)が多くあります。エンタープライズ向けのアプリは仕様に一癖あります。
Step4では以下のようなデータ構造*3で定義されるエンタープライズ向けチャットアプリを作ることで、エンタープライズ向けの仕様への理解を深めることも狙いです。

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今年度の研修組が、配属後にこのアプリに関連する記事を執筆していたりしますのでこちらもご覧ください。

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最後に

オプティムでは、世界の人々・各産業に大きく良い影響を与えたい方、身の丈に合わない大きな志を持って楽しみながら挑戦し、自ら己の可能性を広げられる方、そして、あらゆる属性を意識せず思いやりを持ってこれからのオプティムという組織・文化を創っていって頂ける方を新卒・中途問わず通年で募集しています。新卒採用では引き続きエンジニア志望(プログラミング未経験者可)、ビジネスサイド志望ともに募集しています。私たちと一緒に世界を変える大きなことにチャレンジしたいという方、是非以下をご覧になってください。ご応募お待ちしております。

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*1:ここで言う即戦力とは、例えば最低限下記のようなことができるようになった状態を言います。

  • 見様見真似ではなく、多少なりとも良し悪しを自分で判断でき、観点を抑えた最良なコードを書いて機能を実現することができる
  • Gitやチケット管理を最良な形で行えて、チーム開発ができる

*2:この動画はVOICEPEAKによるAI読み上げで作成されており、アップデートなどがやりやすいようになっています

*3:この仕様は実際のプロダクト向けではありません