こんにちは、R&Dチームの齋藤(@aznhe21)です。 今日はオプティムの創立記念パーティーがオンラインで行われます。 オプティムは2000/6/8に設立され、去年は20周年の節目であったにも関わらず生憎の時制で大きく祝えませんでしたが、 今年は準備も万全、盛大にお祝いしたいと思います。
さて、本日、日本時間6/18(金)、Rust 1.53がリリースされました。 この記事ではRust 1.53での変更点を詳しく紹介します。
- ピックアップ
- 安定化されたAPIのドキュメント
- AtomicBool::fetch_update
- AtomicPtr::fetch_update
- BTreeMap::retain
- BTreeSet::retain
- BufReader::seek_relative
- DebugStruct::non_exhaustive
- Duration::MAX
- Duration::ZERO
- Duration::is_zero
- Duration::saturating_add
- Duration::saturating_mul
- Duration::saturating_sub
- ErrorKind::Unsupported
- Option::insert
- Ordering::is_eq
- Ordering::is_ge
- Ordering::is_gt
- Ordering::is_le
- Ordering::is_lt
- Ordering::is_ne
- OsStr::is_ascii
- OsStr::make_ascii_lowercase
- OsStr::make_ascii_uppercase
- OsStr::to_ascii_lowercase
- OsStr::to_ascii_uppercase
- Peekable::peek_mut
- Rc::decrement_strong_count
- Rc::increment_strong_count
- Vec::extend_from_within
- array::from_mut
- array::from_ref
- cmp::max_by_key
- cmp::max_by
- cmp::min_by_key
- cmp::min_by
- f32::is_subnormal
- f64::is_subnormal
- 変更点リスト
- 関連リンク
- さいごに
- ライセンス表記
ピックアップ
個人的に注目する変更点を「ピックアップ」としてまとめました。 全ての変更点を網羅したリストは変更点リストをご覧ください。
識別子にASCII以外の文字も使えるようになった
変数名や構造体名など、様々なところで非ASCII文字が使えるようになりました。
fn main() { let 日本語の変数だよ = "ほげ"; println!("{}", 日本語の変数だよ); // 絵文字は使えない // let 💩 = "💩"; }
識別子はNFCによって正規化し直されるため、macOSのファイル名(NFDで正規化される)をコピペしても一応は安心です。
fn main() { // この「プ」はどちらもNFCでの正規化 let mut オプティム = "オプティム"; println!("{:?}", オプティム.chars()); // Chars(['オ', 'プ', 'テ', 'ィ', 'ム']) // この「プ」はどちらもNFDでの正規化 オプティム = "オプティム"; // バイト列で見ると異なる変数名に代入したが、正規化により正しく代入されている println!("{:?}", オプティム.chars()); // Chars(['オ', 'フ', '\u{309a}', 'テ', 'ィ', 'ム']) }
どんな文字が使えるかはUAX 31に従います。 Rustの記事ではないものの、UAX 31や他の言語での状況についてはこちらが詳しいです。
導入の動機はRFC 2457が詳しいんですが、このRFCのPRへのリアクションを見ると結構賛否両論です。 そこで、動機を訳しつつ引用します。
ドメイン固有の用語を使ってコードを書くと、プロジェクト要件から単語を翻訳するのとは対象的に、実装や議論が簡素化されます。 また、コードが社内プロジェクトや教育現場など限られた人だけを対象にしている場合にそのグループの言語でコードを書くことは、 コミュニケーションが促進される、あるいは英語が苦手な人でもRustのコードを書くことが出来る、と言った点で有益でしょう。
PEP 3131(※訳注:Python言語の機能拡張の際に議論した結果などのまとめ資料で、RustのRFCに相当する) の理論的根拠がそれを上手く説明しています。
PythonRustのコードは、英語はもちろんラテン語の表記体系にも精通していない世界中の多くの人々によって書かれています。 そのような開発者は、クラスや関数の名前を付ける時にその概念の(間違いがちな)英訳を考えるのではなく、 母国語のままで宣言したいと良く思います。 母国語の識別子を使用することで、その言語を話す人たちの間ではコードの明確さや保守性が向上します。一部の言語(特にラテン系の表記体系)には、一般的に翻字の仕組みが存在します(※訳注:日本語ではヘボン式ローマ字などがある)。 しかし、それ以外の言語ではラテン語を使用して母国語を書くのが非常に困難です。
加えて、数学指向のプロジェクトでは数学での記述に近い識別子を使えるでしょう。
ORパターンが使えるようになった
これまで、パターンマッチにおいては複数のパターンを|
で繋げることしか出来ませんでした。
fn main() { let x = "496".parse::<u32>(); match x { Ok(6) | Ok(28) | Ok(496) | Ok(8128) | Ok(33550336) => println!("x is a perfect number"), Ok(_) => println!("x is not a perfect number"), Err(_) => println!("failed to parse"), } }
ORパターンにより、Ok()
の中でも|
で繋げることが出来るようになりました。
fn main() { let x = "496".parse::<u32>(); match x { Ok(6 | 28 | 496 | 8128 | 33550336) => println!("a perfect number"), Ok(_) => println!("not a perfect number"), Err(_) => println!("failed to parse"), } }
配列にIntoIteratorが実装された
Rust 1.50で配列要素の所有権を奪いつつイテレート出来るようになったわけですが、
std::array::IntoIter::new
を使わなければならず少し面倒でした。
use std::array::IntoIter; fn main() { let array = ["hoge".to_string(), "fuga".to_string()]; for mut s in IntoIter::new(array) { s.push_str("-piyo"); println!("{}", s); } }
Rust 1.53からは配列型に対して直接IntoIterator
トレイトが実装されるようになり、配列をそのままループに使うことが出来るようになりました。
これは互換性上も問題はないと判断されています。
fn main() { let array = ["hoge".to_string(), "fuga".to_string()]; for mut s in array { s.push_str("-piyo"); println!("{}", s); } // IntoIteratorを要求する引数にも使える let mut vec: Vec<u32> = Vec::new(); vec.extend([0, 1, 2]); }
しかし、.into_iter()
メソッドを呼び出す形式では後方互換性への配慮から制限があります。
この制限はRust 2021 Editionでは取り払われる予定です。
fn main() { let arr = [1, 2, 3]; for x in arr { let _: u32 = x; // xは借用されていない } // .into_iter()では今のところ借用となってしまう // 2021 Editionでは借用無しでイテレーターが使えるようになる予定 arr.into_iter().for_each(|_: &u32| {}); // IntoIteratorを直接使えば使えないこともない IntoIterator::into_iter(arr).for_each(|_: u32| {}); }
安定化されたAPIのドキュメント
安定化されたAPIのドキュメントを独自に訳して紹介します。リストだけ見たい方は安定化されたAPIをご覧ください。
AtomicBool::fetch_update
#[cfg(target_has_atomic_load_store = "8")] impl AtomicBool { #[inline] #[stable(feature = "atomic_fetch_update", since = "1.53.0")] #[cfg(target_has_atomic = "8")] pub fn fetch_update<F>( &self, set_order: Ordering, fetch_order: Ordering, mut f: F, ) -> Result<bool, bool> where F: FnMut(bool) -> Option<bool>, { /* 実装は省略 */ } }
値を取得し、任意な新規の値を返す関数を適用する。
関数がSome(_)
を返した場合はResult
のOk(直前の値)
を返し、さもなくばErr(直前の値)
を返す。
注意:関数呼び出し中に他のスレッドで値が変更された場合、関数は複数回呼び出されるかもしれない。
ただし、これは関数がSome(_)
を返す間だけであり、それ以外では格納された値に対して一度だけ関数が適用される。
※訳注:実装を見たほうが分かりやすいかもしれない。
fetch_update
はこの操作のメモリオーダーを示すために2つのOrdering
を引数に取る。
1つ目は操作が最終的に成功した時に要求されるオーダーを、2つ目は読み込み時に要求されるオーダーを示す。
これらはそれぞれ、AtomicBool::compare_exchange
の成功時と失敗時のオーダーに対応する。
成功時のオーダーとしてAcquire
を指定すると格納時にはRelaxed
が使われ、
Release
を指定すると最終的な成功時の読み込みにはRelaxed
が使われる。
(失敗した)読み込みのオーダーにはSeqCst
かAcquire
、またはRelaxed
のみが使え、かつ成功時以下のオーダーでなければならない。
注意:このメソッドはu8での不可分操作をサポートしたプラットフォームでのみ使用可能
サンプル
use std::sync::atomic::{AtomicBool, Ordering}; let x = AtomicBool::new(false); assert_eq!(x.fetch_update(Ordering::SeqCst, Ordering::SeqCst, |_| None), Err(false)); assert_eq!(x.fetch_update(Ordering::SeqCst, Ordering::SeqCst, |x| Some(!x)), Ok(false)); assert_eq!(x.fetch_update(Ordering::SeqCst, Ordering::SeqCst, |x| Some(!x)), Ok(true)); assert_eq!(x.load(Ordering::SeqCst), false);
AtomicPtr::fetch_update
#[cfg(target_has_atomic_load_store = "ptr")] impl<T> AtomicPtr<T> { #[inline] #[stable(feature = "atomic_fetch_update", since = "1.53.0")] #[cfg(target_has_atomic = "ptr")] pub fn fetch_update<F>( &self, set_order: Ordering, fetch_order: Ordering, mut f: F, ) -> Result<*mut T, *mut T> where F: FnMut(*mut T) -> Option<*mut T>, { /* 実装は省略 */ } }
値を取得し、任意な新規の値を返す関数を適用する。
関数がSome(_)
を返した場合はResult
のOk(直前の値)
を返し、さもなくばErr(直前の値)
を返す。
注意:関数呼び出し中に他のスレッドで値が変更された場合、関数は複数回呼び出されるかもしれない。
ただし、これは関数がSome(_)
を返す間だけであり、それ以外では格納された値に対して一度だけ関数が適用される。
※訳注:実装を見たほうが分かりやすいかもしれない。
fetch_update
はこの操作のメモリオーダーを示すために2つのOrdering
を引数に取る。
1つ目は操作が最終的に成功した時に要求されるオーダーを、2つ目は読み込み時に要求されるオーダーを示す。
これらはそれぞれ、AtomicPtr::compare_exchange
の成功時と失敗時のオーダーに対応する。
成功時のオーダーとしてAcquire
を指定すると格納時にはRelaxed
が使われ、
Release
を指定すると最終的な成功時の読み込みにはRelaxed
が使われる。
(失敗した)読み込みのオーダーにはSeqCst
かAcquire
、またはRelaxed
のみが使え、かつ成功時以下のオーダーでなければならない。
注意:このメソッドはポインタでの不可分操作をサポートしたプラットフォームでのみ使用可能
サンプル
use std::sync::atomic::{AtomicPtr, Ordering}; let ptr: *mut _ = &mut 5; let some_ptr = AtomicPtr::new(ptr); let new: *mut _ = &mut 10; assert_eq!(some_ptr.fetch_update(Ordering::SeqCst, Ordering::SeqCst, |_| None), Err(ptr)); let result = some_ptr.fetch_update(Ordering::SeqCst, Ordering::SeqCst, |x| { if x == ptr { Some(new) } else { None } }); assert_eq!(result, Ok(ptr)); assert_eq!(some_ptr.load(Ordering::SeqCst), new);
BTreeMap::retain
impl<K, V> BTreeMap<K, V> { #[inline] #[stable(feature = "btree_retain", since = "1.53.0")] pub fn retain<F>(&mut self, mut f: F) where K: Ord, F: FnMut(&K, &mut V) -> bool, { /* 実装は省略 */ } }
述語関数で指定された要素のみ維持する。
言い換えれば、f(&k, &mut v)
がfalse
を返すような全ての(k, v)
ペアを削除する。
サンプル
use std::collections::BTreeMap; let mut map: BTreeMap<i32, i32> = (0..8).map(|x| (x, x*10)).collect(); // キーが偶数の要素のみを残す map.retain(|&k, _| k % 2 == 0); assert!(map.into_iter().eq(vec![(0, 0), (2, 20), (4, 40), (6, 60)]));
BTreeSet::retain
impl<T> BTreeSet<T> { #[stable(feature = "btree_retain", since = "1.53.0")] pub fn retain<F>(&mut self, mut f: F) where T: Ord, F: FnMut(&T) -> bool, { /* 実装は省略 */ } }
述語関数で指定された要素のみ維持する。
言い換えれば、f(&e)
がfalse
を返すような全てのe
要素を削除する。
サンプル
use std::collections::BTreeSet; let xs = [1, 2, 3, 4, 5, 6]; let mut set: BTreeSet<i32> = xs.iter().cloned().collect(); // 偶数のみを残す set.retain(|&k| k % 2 == 0); assert!(set.iter().eq([2, 4, 6].iter()));
BufReader::seek_relative
impl<R: Seek> BufReader<R> { #[stable(feature = "bufreader_seek_relative", since = "1.53.0")] pub fn seek_relative(&mut self, offset: i64) -> io::Result<()> { /* 実装は省略 */ } }
現在の位置に基づいてシークする。 新しい場所がバッファ内に位置する場合、より効率的なシークのためにバッファはフラッシュされない。 このメソッドは内包するリーダーの位置を返さないため、必要な場合は呼び出し側で追従しなければならない。
DebugStruct::non_exhaustive
impl<'a, 'b: 'a> DebugStruct<'a, 'b> { #[stable(feature = "debug_non_exhaustive", since = "1.53.0")] pub fn finish_non_exhaustive(&mut self) -> fmt::Result { /* 実装は省略 */ } }
構造体を非網羅的であると記録し、デバッグ表現内で他に表示されていないフィールドがあることを読み手に示す。
サンプル
use std::fmt; struct Bar { bar: i32, hidden: f32, } impl fmt::Debug for Bar { fn fmt(&self, fmt: &mut fmt::Formatter<'_>) -> fmt::Result { fmt.debug_struct("Bar") .field("bar", &self.bar) .finish_non_exhaustive() // 他にもフィールドがあることを表示 } } assert_eq!( format!("{:?}", Bar { bar: 10, hidden: 1.0 }), "Bar { bar: 10, .. }", );
Duration::MAX
impl Duration { #[stable(feature = "duration_saturating_ops", since = "1.53.0")] pub const MAX: Duration = Duration::new(u64::MAX, NANOS_PER_SEC - 1); }
最大のDuration
。
プラットフォームによって異なる場合があるかもしれない。
実際のところ、2つのInstant
インスタンス間、あるいは2つのSystemTime
インスタンス間の差を保持出来なければならないという制約により、
現在は全プラットフォームで約5849億4241万7355年という値が与えられている。
サンプル
use std::time::Duration; assert_eq!(Duration::MAX, Duration::new(u64::MAX, 1_000_000_000 - 1));
Duration::ZERO
impl Duration { #[stable(feature = "duration_zero", since = "1.53.0")] pub const ZERO: Duration = Duration::from_nanos(0); }
経過がゼロであるDuration
。
サンプル
use std::time::Duration; let duration = Duration::ZERO; assert!(duration.is_zero()); assert_eq!(duration.as_nanos(), 0);
Duration::is_zero
#[stable(feature = "duration_zero", since = "1.53.0")] #[rustc_const_stable(feature = "duration_zero", since = "1.53.0")] #[inline] pub const fn is_zero(&self) -> bool { /* 実装は省略 */ } }
このDuration
が表す期間がゼロである場合、真を返す。
サンプル
use std::time::Duration; assert!(Duration::ZERO.is_zero()); assert!(Duration::new(0, 0).is_zero()); assert!(Duration::from_nanos(0).is_zero()); assert!(Duration::from_secs(0).is_zero()); assert!(!Duration::new(1, 1).is_zero()); assert!(!Duration::from_nanos(1).is_zero()); assert!(!Duration::from_secs(1).is_zero());
Duration::saturating_add
impl Duration { #[stable(feature = "duration_saturating_ops", since = "1.53.0")] #[inline] #[rustc_const_unstable(feature = "duration_consts_2", issue = "72440")] pub const fn saturating_add(self, rhs: Duration) -> Duration { /* 実装は省略 */ } }
Duration
を飽和させつつ加える。
self + rhs
を計算するが、オーバーフローした場合はDuration::MAX
を返す。
サンプル
use std::time::Duration; assert_eq!(Duration::new(0, 0).saturating_add(Duration::new(0, 1)), Duration::new(0, 1)); assert_eq!(Duration::new(1, 0).saturating_add(Duration::new(u64::MAX, 0)), Duration::MAX);
Duration::saturating_mul
impl Duration { #[stable(feature = "duration_saturating_ops", since = "1.53.0")] #[inline] #[rustc_const_unstable(feature = "duration_consts_2", issue = "72440")] pub const fn saturating_mul(self, rhs: u32) -> Duration { /* 実装は省略 */ } }
Duration
を飽和させつつ乗じる。
self * rhs
を計算するが、オーバーフローした場合はDuration::MAX
を返す。
サンプル
use std::time::Duration; assert_eq!(Duration::new(0, 500_000_001).saturating_mul(2), Duration::new(1, 2)); assert_eq!(Duration::new(u64::MAX - 1, 0).saturating_mul(2), Duration::MAX);
Duration::saturating_sub
impl Duration { #[stable(feature = "duration_saturating_ops", since = "1.53.0")] #[inline] #[rustc_const_unstable(feature = "duration_consts_2", issue = "72440")] pub const fn saturating_sub(self, rhs: Duration) -> Duration { /* 実装は省略 */ } }
Duration
を飽和させつつ減らす。
self - rhs
を計算するが、結果が負になった、あるいはオーバーフローした場合はDuration::ZERO
を返す。
サンプル
use std::time::Duration; assert_eq!(Duration::new(0, 1).saturating_sub(Duration::new(0, 0)), Duration::new(0, 1)); assert_eq!(Duration::new(0, 0).saturating_sub(Duration::new(0, 1)), Duration::ZERO);
ErrorKind::Unsupported
#[derive(Clone, Copy, Debug, Eq, Hash, Ord, PartialEq, PartialOrd)] #[stable(feature = "rust1", since = "1.0.0")] #[allow(deprecated)] #[non_exhaustive] pub enum ErrorKind { // ... #[stable(feature = "unsupported_error", since = "1.53.0")] Unsupported, }
この操作はこのプラットフォームではサポートされていない。
実行した操作が成功することは無いことを意味する。
Option::insert
impl<T> Option<T> { #[inline] #[stable(feature = "option_insert", since = "1.53.0")] pub fn insert(&mut self, value: T) -> &mut T { /* 実装は省略 */ } }
value
をこのOption
に挿入し、値への可変参照を返す。
もしこのOption
が値を保持している場合、古い値は破棄される。
Option
が既にSome
を保持している場合には値を更新しないOption::get_or_insert
も参照されたい。
サンプル
let mut opt = None; let val = opt.insert(1); assert_eq!(*val, 1); assert_eq!(opt.unwrap(), 1); let val = opt.insert(2); assert_eq!(*val, 2); *val = 3; assert_eq!(opt.unwrap(), 3);
Ordering::is_eq
impl Ordering { #[inline] #[must_use] #[rustc_const_stable(feature = "ordering_helpers", since = "1.53.0")] #[stable(feature = "ordering_helpers", since = "1.53.0")] pub const fn is_eq(self) -> bool { /* 実装は省略 */ } }
このOrdering
がEqual
バリアントである場合にtrue
を返す。
サンプル
use std::cmp::Ordering; assert_eq!(Ordering::Less.is_eq(), false); assert_eq!(Ordering::Equal.is_eq(), true); assert_eq!(Ordering::Greater.is_eq(), false);
Ordering::is_ge
impl Ordering { #[inline] #[must_use] #[rustc_const_stable(feature = "ordering_helpers", since = "1.53.0")] #[stable(feature = "ordering_helpers", since = "1.53.0")] pub const fn is_ge(self) -> bool { /* 実装は省略 */ } }
このOrdering
がGreater
バリアント、あるいはEqual
バリアントである場合にtrue
を返す。
サンプル
use std::cmp::Ordering; assert_eq!(Ordering::Less.is_ge(), false); assert_eq!(Ordering::Equal.is_ge(), true); assert_eq!(Ordering::Greater.is_ge(), true);
Ordering::is_gt
impl Ordering { #[inline] #[must_use] #[rustc_const_stable(feature = "ordering_helpers", since = "1.53.0")] #[stable(feature = "ordering_helpers", since = "1.53.0")] pub const fn is_gt(self) -> bool { /* 実装は省略 */ } }
このOrdering
がGreater
バリアントである場合にtrue
を返す。
サンプル
use std::cmp::Ordering; assert_eq!(Ordering::Less.is_gt(), false); assert_eq!(Ordering::Equal.is_gt(), false); assert_eq!(Ordering::Greater.is_gt(), true);
Ordering::is_le
impl Ordering { #[inline] #[must_use] #[rustc_const_stable(feature = "ordering_helpers", since = "1.53.0")] #[stable(feature = "ordering_helpers", since = "1.53.0")] pub const fn is_le(self) -> bool { /* 実装は省略 */ } }
このOrdering
がLess
バリアント、あるいはEqual
バリアントである場合にtrue
を返す。
サンプル
use std::cmp::Ordering; assert_eq!(Ordering::Less.is_le(), true); assert_eq!(Ordering::Equal.is_le(), true); assert_eq!(Ordering::Greater.is_le(), false);
Ordering::is_lt
impl Ordering { #[inline] #[must_use] #[rustc_const_stable(feature = "ordering_helpers", since = "1.53.0")] #[stable(feature = "ordering_helpers", since = "1.53.0")] pub const fn is_lt(self) -> bool { /* 実装は省略 */ } }
このOrdering
がLess
バリアントである場合にtrue
を返す。
サンプル
use std::cmp::Ordering; assert_eq!(Ordering::Less.is_lt(), true); assert_eq!(Ordering::Equal.is_lt(), false); assert_eq!(Ordering::Greater.is_lt(), false);
Ordering::is_ne
impl Ordering { #[inline] #[must_use] #[rustc_const_stable(feature = "ordering_helpers", since = "1.53.0")] #[stable(feature = "ordering_helpers", since = "1.53.0")] pub const fn is_ne(self) -> bool { /* 実装は省略 */ } }
このOrdering
がEqual
バリアントでない場合にtrue
を返す。
サンプル
use std::cmp::Ordering; assert_eq!(Ordering::Less.is_ne(), true); assert_eq!(Ordering::Equal.is_ne(), false); assert_eq!(Ordering::Greater.is_ne(), true);
OsStr::is_ascii
impl OsStr { #[stable(feature = "osstring_ascii", since = "1.53.0")] #[inline] pub fn is_ascii(&self) -> bool { /* 実装は省略 */ } }
この文字列に含まれる全ての文字がASCIIの範囲内であるかを返す。
サンプル
use std::ffi::OsString; let ascii = OsString::from("hello!\n"); let non_ascii = OsString::from("Grüße, Jürgen ❤"); assert!(ascii.is_ascii()); assert!(!non_ascii.is_ascii());
OsStr::make_ascii_lowercase
impl OsStr { #[stable(feature = "osstring_ascii", since = "1.53.0")] #[inline] pub fn make_ascii_lowercase(&mut self) { /* 実装は省略 */ } }
破壊的にこの文字列をASCIIの小文字に変換する。
ASCIIの'A'から'Z'までの文字は'a'から'z'に変換されるが、非ASCII文字はそのままとなる。
非破壊的に新しい小文字の値を返すには、OsStr::to_ascii_lowercase
を使うこと。
サンプル
use std::ffi::OsString; let mut s = OsString::from("GRÜßE, JÜRGEN ❤"); s.make_ascii_lowercase(); assert_eq!("grÜße, jÜrgen ❤", s);
OsStr::make_ascii_uppercase
impl OsStr { #[stable(feature = "osstring_ascii", since = "1.53.0")] #[inline] pub fn make_ascii_uppercase(&mut self) { /* 実装は省略 */ } }
破壊的にこの文字列をASCIIの大文字に変換する。
ASCIIの'a'から'z'までの文字は'A'から'Z'に変換されるが、非ASCII文字はそのままとなる。
非破壊的に既存の値を変更せずに新しい小文字の値を返すには、OsStr::to_ascii_uppercase
を使うこと。
サンプル
use std::ffi::OsString; let mut s = OsString::from("Grüße, Jürgen ❤"); s.make_ascii_uppercase(); assert_eq!("GRüßE, JüRGEN ❤", s);
OsStr::to_ascii_lowercase
impl OsStr { #[stable(feature = "osstring_ascii", since = "1.53.0")] pub fn to_ascii_lowercase(&self) -> OsString { /* 実装は省略 */ } }
それぞれの文字がASCIIの小文字に変換された、この文字列のコピーを返す。
ASCIIの'A'から'Z'までの文字は'a'から'z'に変換されるが、非ASCII文字はそのままとなる。
破壊的に小文字に変換するには、OsStr::make_ascii_lowercase
を使うこと。
サンプル
use std::ffi::OsString; let s = OsString::from("Grüße, Jürgen ❤"); assert_eq!("grüße, jürgen ❤", s.to_ascii_lowercase());
OsStr::to_ascii_uppercase
impl OsStr { #[stable(feature = "osstring_ascii", since = "1.53.0")] pub fn to_ascii_uppercase(&self) -> OsString { /* 実装は省略 */ } }
それぞれの文字がASCIIの大文字に変換された、この文字列のコピーを返す。
ASCIIの'a'から'z'までの文字は'A'から'Z'に変換されるが、非ASCII文字はそのままとなる。
破壊的に大文字に変換するには、OsStr::make_ascii_uppercase
を使うこと。
Peekable::peek_mut
impl<I: Iterator> Peekable<I> { #[inline] #[stable(feature = "peekable_peek_mut", since = "1.53.0")] pub fn peek_mut(&mut self) -> Option<&mut I::Item> { /* 実装は省略 */ } }
イテレータを進めること無く、次の値への可変参照を返す。
next
のように、値があればそれをSome(T)
に包む。
しかしイテレーションが終わればNone
を返す。
peek_mut()
は参照を返す上、多くのイテレーターは参照を返す形でイテレートするため、
戻り値が二重参照となるような混乱する状況が発生し得る。
この影響を下記例にて窺うことが出来る。
サンプル
let mut iter = [1, 2, 3].iter().peekable(); // `peek()`のようにイテレーターを進めること無く先を見ることが出来る assert_eq!(iter.peek_mut(), Some(&mut &1)); assert_eq!(iter.peek_mut(), Some(&mut &1)); assert_eq!(iter.next(), Some(&1)); // イテレーターを覗き見、可変参照を通して値を設定する if let Some(p) = iter.peek_mut() { assert_eq!(*p, &2); *p = &5; } // イテレータを継続すると、設定した値が再登場する assert_eq!(iter.collect::<Vec<_>>(), vec![&5, &3]);
Rc::decrement_strong_count
impl<T: ?Sized> Rc<T> { #[inline] #[stable(feature = "rc_mutate_strong_count", since = "1.53.0")] pub unsafe fn decrement_strong_count(ptr: *const T) { /* 実装は省略 */ } }
指定されたポインタと紐付くRc<T>
の強参照カウントを1つ減算する。
安全性
ポインタはRc::into_raw
を通じて得たものでなければならず、かつ紐付いたRc
のインスタンスが、
このメソッドの呼び出し時に正常(強参照カウントが1以上であるなど)でなければならない。
このメソッドは最後のRc
及びその内部領域を解放するのに使えるが、最後のRc
が解放されたあとには呼び出してはならない。
サンプル
use std::rc::Rc; let five = Rc::new(5); unsafe { let ptr = Rc::into_raw(five); Rc::increment_strong_count(ptr); let five = Rc::from_raw(ptr); assert_eq!(2, Rc::strong_count(&five)); Rc::decrement_strong_count(ptr); assert_eq!(1, Rc::strong_count(&five)); }
Rc::increment_strong_count
impl<T: ?Sized> Rc<T> { #[inline] #[stable(feature = "rc_mutate_strong_count", since = "1.53.0")] pub unsafe fn increment_strong_count(ptr: *const T) { /* 実装は省略 */ } }
指定されたポインタと紐付くRc<T>
の強参照カウントを1つ加算する。
安全性
ポインタはRc::into_raw
を通じて得たものでなければならず、かつ紐付いたRc
のインスタンスが、
このメソッドの呼び出し中に正常(強参照カウントが1以上であるなど)でなければならない。
サンプル
use std::rc::Rc; let five = Rc::new(5); unsafe { let ptr = Rc::into_raw(five); Rc::increment_strong_count(ptr); let five = Rc::from_raw(ptr); assert_eq!(2, Rc::strong_count(&five)); }
Vec::extend_from_within
impl<T: Clone, A: Allocator> Vec<T, A> { #[stable(feature = "vec_extend_from_within", since = "1.53.0")] pub fn extend_from_within<R>(&mut self, src: R) where R: RangeBounds<usize>, { /* 実装は省略 */ } }
src
の範囲を元に、このベクタの最後に要素をコピーする。
サンプル
let mut vec = vec![0, 1, 2, 3, 4]; vec.extend_from_within(2..); assert_eq!(vec, [0, 1, 2, 3, 4, 2, 3, 4]); vec.extend_from_within(..2); assert_eq!(vec, [0, 1, 2, 3, 4, 2, 3, 4, 0, 1]); vec.extend_from_within(4..8); assert_eq!(vec, [0, 1, 2, 3, 4, 2, 3, 4, 0, 1, 4, 2, 3, 4]);
array::from_mut
#[stable(feature = "array_from_ref", since = "1.53.0")] pub fn from_mut<T>(s: &mut T) -> &mut [T; 1] { /* 実装は省略 */ }
(コピー無しに)T
への可変参照を長さ1の配列への可変参照に変換する。
array::from_ref
#[stable(feature = "array_from_ref", since = "1.53.0")] pub fn from_ref<T>(s: &T) -> &[T; 1] { /* 実装は省略 */ }
(コピー無しに)T
への参照を長さ1の配列への参照に変換する。
cmp::max_by_key
#[inline] #[must_use] #[stable(feature = "cmp_min_max_by", since = "1.53.0")] pub fn max_by_key<T, F: FnMut(&T) -> K, K: Ord>(v1: T, v2: T, mut f: F) -> T { /* 実装は省略 */ }
指定された関数を通して最大値をもたらした方の要素を返す。
比較によって等値であると判断された場合、2番目の実引数が返る。
サンプル
use std::cmp; assert_eq!(cmp::max_by_key(-2, 1, |x: &i32| x.abs()), -2); assert_eq!(cmp::max_by_key(-2, 2, |x: &i32| x.abs()), 2);
cmp::max_by
#[inline] #[must_use] #[stable(feature = "cmp_min_max_by", since = "1.53.0")] pub fn max_by<T, F: FnOnce(&T, &T) -> Ordering>(v1: T, v2: T, compare: F) -> T { /* 実装は省略 */ }
指定された比較関数を基に、2つの値のうち大きい方を返す。
比較によって等値であると判断された場合、2番目の実引数が返る。
サンプル
use std::cmp; assert_eq!(cmp::max_by(-2, 1, |x: &i32, y: &i32| x.abs().cmp(&y.abs())), -2); assert_eq!(cmp::max_by(-2, 2, |x: &i32, y: &i32| x.abs().cmp(&y.abs())), 2);
cmp::min_by_key
#[inline] #[must_use] #[stable(feature = "cmp_min_max_by", since = "1.53.0")] pub fn min_by_key<T, F: FnMut(&T) -> K, K: Ord>(v1: T, v2: T, mut f: F) -> T { /* 実装は省略 */ }
指定された関数を通して最小値をもたらした方の要素を返す。
比較によって等値であると判断された場合、1番目の実引数が返る。
サンプル
use std::cmp; assert_eq!(cmp::min_by_key(-2, 1, |x: &i32| x.abs()), 1); assert_eq!(cmp::min_by_key(-2, 2, |x: &i32| x.abs()), -2);
cmp::min_by
#[inline] #[must_use] #[stable(feature = "cmp_min_max_by", since = "1.53.0")] pub fn min_by<T, F: FnOnce(&T, &T) -> Ordering>(v1: T, v2: T, compare: F) -> T { /* 実装は省略 */ }
指定された比較関数を基に、2つの値のうち小さい方を返す。
比較によって等値であると判断された場合、1番目の実引数が返る。
f32::is_subnormal
#[lang = "f32"] #[cfg(not(test))] impl f32 #[stable(feature = "is_subnormal", since = "1.53.0")] #[rustc_const_unstable(feature = "const_float_classify", issue = "72505")] #[inline] pub const fn is_subnormal(self) -> bool { /* 実装は省略 */ } }
数値が非正規化数である場合、true
を返す。
let min = f32::MIN_POSITIVE; // 1.17549435e-38f32 let max = f32::MAX; let lower_than_min = 1.0e-40_f32; let zero = 0.0_f32; assert!(!min.is_subnormal()); assert!(!max.is_subnormal()); assert!(!zero.is_subnormal()); assert!(!f32::NAN.is_subnormal()); assert!(!f32::INFINITY.is_subnormal()); // `0`と`min`の間の値は非正規化数である assert!(lower_than_min.is_subnormal());
f64::is_subnormal
#[lang = "f64"] #[cfg(not(test))] impl f64 { #[stable(feature = "is_subnormal", since = "1.53.0")] #[rustc_const_unstable(feature = "const_float_classify", issue = "72505")] #[inline] pub const fn is_subnormal(self) -> bool { /* 実装は省略 */ } }
数値が非正規化数である場合、true
を返す。
let min = f64::MIN_POSITIVE; // 2.2250738585072014e-308_f64 let max = f64::MAX; let lower_than_min = 1.0e-308_f64; let zero = 0.0_f64; assert!(!min.is_subnormal()); assert!(!max.is_subnormal()); assert!(!zero.is_subnormal()); assert!(!f64::NAN.is_subnormal()); assert!(!f64::INFINITY.is_subnormal()); // `0`と`min`の間の値は非正規化数である assert!(lower_than_min.is_subnormal());
変更点リスト
公式リリースノートをベースに意訳・編集・追記をした変更点リストです。
言語
- Unicodeを識別子として使えるようになった。これにより複数言語の識別子が使えるようになるが、
◆
や🦀
などの文字と見做されないグリフは依然として使うことは出来ない。 具体的にはUAX #31 "Unicode Identifier and Pattern Syntax"に適合する識別子が使える。 これはPythonなどの言語と同じ基準だが、RustはNFCによる正規化を使用するため他の言語とは異なる可能性がある。
→ピックアップ - パターンマッチ内で「ORパターン」が指定出来るようになった。
以前は下記のように完全なパターンでのみ
|
(OR)を使うことが出来た。
→ピックアップ
let x = Some(2u8); // 以前 matches!(x, Some(1) | Some(2)); // 現在 matches!(x, Some(1 | 2));
macro_rules!
の照合子(matcher)に:pat_param
を追加した。これは:pat
と同じ意味論を持つ。 これにより将来のエディションで:pat
の意味論をパターンの断片(pattern fragment)に変えることが出来るようになる
コンパイラ
- 最小の外部LLVMバージョンを10に引き上げた
wasm64-unknown-unknown
ターゲットがティア3※でサポートされるようになった- WindowsのMSVC上で、クロージャと非同期関数のデバッグ情報を改善した
※Rustのティアで管理されるプラットフォームの詳細はPlatform Supportのページ(英語)を参照
ライブラリ
- Androidプラットフォームにおいて、アボート時の文言が
android_set_abort_message
に転送されるようになった(ただしそれが使える場合のみ) slice::IterMut<'_, T>
がAsRef<[T]>
を実装するようになった- あらゆる長さの配列が
IntoIterator
を実装するようになった。 現状、配列での.into_iter()
メソッドの呼び出しはimpl Iterator<Item=&T>
を返すが、将来のエディションでItem
がT
に変更される。 なお、IntoIterator::into_iter
の呼び出しに直接配列を指定すれば期待通りにimpl Iterator<Item=T>
を提供する
→ピックアップ leading_zeros
及びtrailing_zeros
が全ての整数のNonZero
型で使えるようになった- IEEE RFC 754に従い、
{f32, f64}::from_str
が特殊な値(NaN
と-0
)をパース・表示するようになった - スライスのインデックスとして
(Bound<usize>, Bound<usize>)
を使えるようになった - 全ての数値型に関連定数
BITS
が追加された
安定化されたAPI
※各APIのドキュメントを独自に訳した安定化されたAPIのドキュメントもご参照ください。
AtomicBool::fetch_update
AtomicPtr::fetch_update
BTreeMap::retain
BTreeSet::retain
BufReader::seek_relative
DebugStruct::non_exhaustive
Duration::MAX
Duration::ZERO
Duration::is_zero
Duration::saturating_add
Duration::saturating_mul
Duration::saturating_sub
ErrorKind::Unsupported
Option::insert
Ordering::is_eq
Ordering::is_ge
Ordering::is_gt
Ordering::is_le
Ordering::is_lt
Ordering::is_ne
OsStr::is_ascii
OsStr::make_ascii_lowercase
OsStr::make_ascii_uppercase
OsStr::to_ascii_lowercase
OsStr::to_ascii_uppercase
Peekable::peek_mut
Rc::decrement_strong_count
Rc::increment_strong_count
Vec::extend_from_within
array::from_mut
array::from_ref
cmp::max_by_key
cmp::max_by
cmp::min_by_key
cmp::min_by
f32::is_subnormal
f64::is_subnormal
Cargo
- デフォルトの
HEAD
ブランチが「master」でないgitレポジトリをサポートした。 これにはCargo.lock
のバージョン3(デフォルトブランチが正しく処理出来るようになる変更)への切り替えが含まれる - macOSターゲットにおいて、デバッグ情報は
unpacked
な分割形式がデフォルトになった - 新規のプロジェクトにおいて、
Cargo.toml
にauthors
フィールドが含まれないようになった
Rustdoc
互換性メモ
- 属性を展開する際のトークン基準での処理が実装された
Ipv4::from_str
がIPアドレスの16進数表記に加えて8進数表記も弾くようになった。 IPアドレスの8進数表記は混乱の元になるだけでなく脆弱性の温床になる可能性があり、現在は推奨されていない
※訳注:IPv4アドレスの表記については下記が詳しい。
- 追加された
BITS
定数は外部の宣言と競合する可能性がある。 特にlexical-core
クレートで問題が発生することが判明しているが、0.4から0.7までのバージョンで修正が公開済みである。 この依存関係のみをアップデートする場合、cargo update -p lexical-core
を実行すること
内部のみ
これらの変更がユーザーに直接利益をもたらすわけではないものの、コンパイラ及び周辺ツール内部での重要なパフォーマンス改善をもたらす。
std::sys::windows::alloc
の実装を手直しした- rustdoc:get_blanket_implsにおいて、包括的実装(blanket impls)でない実装に対してはinfer_ctxtに突入しない
- rustdoc:
get_blanket_impls
においては包括的実装のみ参照 - rustdocの定数型を手直し
関連リンク
さいごに
次のRust 1.54は2021/7/30(金)に予定されています。 属性内でマクロを含む式が使えるようになるようです。
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ライセンス表記
- この記事はApache 2/MITのデュアルライセンスで公開されている公式リリースノートを翻訳・追記をしています
- 冒頭の画像中にはRust公式サイトで配布されているロゴを使用しており、 このロゴはRust財団によってCC-BYの下で配布されています(はず)
- 冒頭の画像中にはRustacean.netで配布されているロゴを使用しており、 このロゴはCC0の下で配布されています
- 冒頭の画像はいらすとやさんの画像を使っています。いつもありがとうございます
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Permission is hereby granted, free of charge, to any person obtaining a copy of this software and associated documentation files (the "Software"), to deal in the Software without restriction, including without limitation the rights to use, copy, modify, merge, publish, distribute, sublicense, and/or sell copies of the Software, and to permit persons to whom the Software is furnished to do so, subject to the following conditions: The above copyright notice and this permission notice shall be included in all copies or substantial portions of the Software. THE SOFTWARE IS PROVIDED "AS IS", WITHOUT WARRANTY OF ANY KIND, EXPRESS OR IMPLIED, INCLUDING BUT NOT LIMITED TO THE WARRANTIES OF MERCHANTABILITY, FITNESS FOR A PARTICULAR PURPOSE AND NONINFRINGEMENT. IN NO EVENT SHALL THE AUTHORS OR COPYRIGHT HOLDERS BE LIABLE FOR ANY CLAIM, DAMAGES OR OTHER LIABILITY, WHETHER IN AN ACTION OF CONTRACT, TORT OR OTHERWISE, ARISING FROM, OUT OF OR IN CONNECTION WITH THE SOFTWARE OR THE USE OR OTHER DEALINGS IN THE SOFTWARE.
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For the purposes of this License, Derivative Works shall not include works that remain separable from, or merely link (or bind by name) to the interfaces of, the Work and Derivative Works thereof. "Contribution" shall mean any work of authorship, including the original version of the Work and any modifications or additions to that Work or Derivative Works thereof, that is intentionally submitted to Licensor for inclusion in the Work by the copyright owner or by an individual or Legal Entity authorized to submit on behalf of the copyright owner. For the purposes of this definition, "submitted" means any form of electronic, verbal, or written communication sent to the Licensor or its representatives, including but not limited to communication on electronic mailing lists, source code control systems, and issue tracking systems that are managed by, or on behalf of, the Licensor for the purpose of discussing and improving the Work, but excluding communication that is conspicuously marked or otherwise designated in writing by the copyright owner as "Not a Contribution." "Contributor" shall mean Licensor and any individual or Legal Entity on behalf of whom a Contribution has been received by Licensor and subsequently incorporated within the Work. 2. Grant of Copyright License. Subject to the terms and conditions of this License, each Contributor hereby grants to You a perpetual, worldwide, non-exclusive, no-charge, royalty-free, irrevocable copyright license to reproduce, prepare Derivative Works of, publicly display, publicly perform, sublicense, and distribute the Work and such Derivative Works in Source or Object form. 3. Grant of Patent License. Subject to the terms and conditions of this License, each Contributor hereby grants to You a perpetual, worldwide, non-exclusive, no-charge, royalty-free, irrevocable (except as stated in this section) patent license to make, have made, use, offer to sell, sell, import, and otherwise transfer the Work, where such license applies only to those patent claims licensable by such Contributor that are necessarily infringed by their Contribution(s) alone or by combination of their Contribution(s) with the Work to which such Contribution(s) was submitted. If You institute patent litigation against any entity (including a cross-claim or counterclaim in a lawsuit) alleging that the Work or a Contribution incorporated within the Work constitutes direct or contributory patent infringement, then any patent licenses granted to You under this License for that Work shall terminate as of the date such litigation is filed. 4. Redistribution. You may reproduce and distribute copies of the Work or Derivative Works thereof in any medium, with or without modifications, and in Source or Object form, provided that You meet the following conditions: (a) You must give any other recipients of the Work or Derivative Works a copy of this License; and (b) You must cause any modified files to carry prominent notices stating that You changed the files; and (c) You must retain, in the Source form of any Derivative Works that You distribute, all copyright, patent, trademark, and attribution notices from the Source form of the Work, excluding those notices that do not pertain to any part of the Derivative Works; and (d) If the Work includes a "NOTICE" text file as part of its distribution, then any Derivative Works that You distribute must include a readable copy of the attribution notices contained within such NOTICE file, excluding those notices that do not pertain to any part of the Derivative Works, in at least one of the following places: within a NOTICE text file distributed as part of the Derivative Works; within the Source form or documentation, if provided along with the Derivative Works; or, within a display generated by the Derivative Works, if and wherever such third-party notices normally appear. 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We also recommend that a file or class name and description of purpose be included on the same "printed page" as the copyright notice for easier identification within third-party archives. Copyright [yyyy] [name of copyright owner] Licensed under the Apache License, Version 2.0 (the "License"); you may not use this file except in compliance with the License. You may obtain a copy of the License at http://www.apache.org/licenses/LICENSE-2.0 Unless required by applicable law or agreed to in writing, software distributed under the License is distributed on an "AS IS" BASIS, WITHOUT WARRANTIES OR CONDITIONS OF ANY KIND, either express or implied. See the License for the specific language governing permissions and limitations under the License.